　モコモコに着膨れた清少納言に思わずくすっと笑ってしまった。平安時代の感覚で厚着したらこうなったらしい。

「令和の服はあったかいね、ひーとてっく？　とかふりーす？　とか。なにで出来てるの？」

「化学繊維だから……やっぱり石油じゃない？」

「うちのはヒートテックじゃなくて無印のコットンのやつだよ」

　そうなのか。確かに化繊のわりにべたっとしないな、と思っていた。そもそも化繊じゃなかったのか。

　車はホームセンターに到着した。車を降りるなり、入り口にたくさんのスノーダンプや雪かきスコップが並べられており、清少納言はその色とりどりなことにびっくりしていた。

「雪をどかすだけなのにこんなかわいい必要ある！？」

　スノーダンプをかわいいと表現する人、初めて見た。でも確かに赤や紫や緑で色とりどりではある。適当なスノーダンプをでっかいカートにつっこみ、そのまま中に入る。社会科見学ということらしかった。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい