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父さんはジンジャークッキー目当てだったらしいが、焦げてしまったことを知るとマロを置いて書斎に戻ってしまった。どうやらマロはボールを転がして父さんの仕事の邪魔をしていたらしい。
母さんが焦げたジンジャークッキーを片付けながら、ぽちぽちとスマホで何かを検索している。
「へえー。ショウガって2世紀3世紀くらいに伝来してるんだ。薬として……か。貴重なものだったんだろうね。まあフェイクだらけのネットの話だから信じるかはまた別」
「にせーき? さんせーき?」
「問題の救世主イエス・キリストが生まれた年から始まった、『西暦』ってやつは100年くぎりで1世紀、2世紀、って数えるの。いまは21世紀。2024年だからね」
「うーん。こんがらがってきたぞー」
「まあその辺はだんだん分かると思うから大丈夫。なんというか明治時代のひとも西欧の文化をこう思ったんだろうなって思うわね」
母さんは失敗作でない焼き芋を取り出した。父さんに内緒でみんなでハフハフ食べたのだった。(つづく)
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