第3話 地下へ
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ゆるやかなカーブをえがきながら、トラムがやってくる
おりてきたのは、お人形みたいな制服をきたこどもたち
かってなおしゃべりといっしょに人形劇団は草木のしげみにかけていく
ジッとしているトラムからやわらかそうなを服をきたひとたちがでてくる
おとなかわかものかろうじんか、はっきりしない人びとだ
それからどっかにあるきさったのはヒトかロボットか?
よくわからないけどちょっとすきとおったゴーグルをつけていた
ふいにようじを思いだしたといったようすでトラムは出発する
いれかわりになん羽かのハトがはばたいておりてきた
こどもがたっていてポッケからパラパラくずをとりだしてまいている
フードをかぶり、レザーみたいでレザーじゃないカバンをしょっている
人工的ちいさい流れがあり水草とさかながゆれている
子猫がいて、それをみつめていた
流れにそって歩いていたSくんは、なにかをみつけてそっちにいく
デンキ屋かリサイクルショップだろうか?
ブラウン管のテレビがおいてあってアンテナがのっている
ダイヤルやボタンがついている
どこがどうってわけじゃないが角がまるく、セピアがかった色あい
はじめからそんな色なのか、時間といっしょにそんなになったのか
ノイズのまじるシロクロ映像がうつりアナウンスがなにか伝えている
とんがったヒコーキが画面に浮かぶ
花火みたいなチラチラする光がちらばる
《A国B国のカンケーがナントカカントカ》とアナウンス
けむりがながれる映像にアナウンスがつく
《・・・・・・人・・・・・・の市民・・・☓☓地区》
いつのニュースだろう?
Sくんはビデオゲームをみつけたようだ
ゲーム機にセットされたコミカルなイラストのついたソフト
でかいテレビジョンにつながってる
兵士がぎこちなくうごきボムや銃でがんばっていた
ボスキャラに銃をうちまくってから少年はまたあるきだした
自動式でながれる歩道があってそれにかれはのった
みちにとまっているのはピザのたくはいマシンだろう
ショップのマークがついている
とけたチーズ、サラミ、ふっくらした耳
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グリーンでおおわれた図書館の庭のアチラコチラでうごく小さいメカ
しんせつな小人たちみたいにはたらいている
草のうえにころがったツヤツヤしたのはなんだろうか?
Sくんはそいつに気がついたろうか
あれはきっとドローンだ。故障だろうか?
ミストをはきつづけていて、あたりはさっきのテレビニュースさながら
少年が館内にはいると、だれかのつけた足跡をロボがきれいにしていた
かれがフードをとるとねぐせのついたあたまがあらわれる
キョロキョロしながら歩きまわるが、あのロボットがいないようだ
そのうちに本がズラズラならんでいないフロアにきた
ちいさな部屋にシートがぎょうぎよくならんでいる
カタカタカタカタ――
音がしてスクリーンに古いフィルムがうつしだされた
プチプチ音のするBGMがなりだしおしゃべりがはじまる
ちびとふとっちょがたがいをひっぱたいたりとんだりころがったり
でてくる人びとはみんなしあわせそうにわらったりうたったり
Sくんはフカフカのイスでおきているのかねてるのか
ねぐせあたまがちょこっとシートのうえにでている
やがてフィルムがおわった
Sくんはまた館内を探検しはじめる
なにかに気がつき足をとめた
どこかでバタスタいっているのはなんだろうか
少年のまえにかいだんのおりくちがあった
⬇️地下書庫
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てんてんとランプがありとおりすぎるときスーッとついてまたきえていった
グルグルとかいだんをおりきると通路があった
そのさきで光と音がもれてくるとこがある
かいだん裏のくらがりにとびらがあり KEEP OUT の文字がひかっている
通路をぬけSくんがはいったフロアには本が山積みになっていた
コンベアではこばれてくる本が、テナガザルみたいなロボットアームで整理されていく
あのロボットがいるのを見つけ、少年ははなしかけた
『はじめまシテ』
「あったことあるよね」
『おぼえてますよ。カセットテープのテープをぐちゃめちゃにシタ――』
「ンなことしたかね」
『ドローンに石をなげたんで出入りを禁じらレタ――』
「やりそうだけどやっちゃいないさ」
『ばっちりなまえまでキオクしていますよ、Aくんデスネ』
「・・・・・・本をさがしてるんだよ」
『データはかんぺきにのこってますヨ』
ロボットは、本の山からいっさつの絵本をぬきだした
おかげで山はバラバラくずれおちた
ロボについてSくんがはいっていったところは、こじんまりした部屋だ
ちいさなマドからそとの光がふってきていて、木のベンチがあった
きれいな表紙の絵がてらしだされる
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