第59話

「お客とどう接するか聞いた?」



「えっ?いや……」



「とりあえず最初は離れて上座に座って、顔だけ見せるみたいな」



「そうなの?」



「二回目来たらもう上座だけど少し近く……そばに座って肌を許すのは三回目から」



「へ~……」



思ってたより随分違うな。


まあ、何回来ても肌を許す気はないけど。



「もし客が気に入らなければ、ふってかまわないから」



「ふる?」



「廻し部屋に入れて他の客についてることにして、行かないのよ」



「そんなことして客は暴れない?」



「大丈夫!そのへんは遣手のお千さんが上手くやるから」

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