第9話

「しょ、しょれは無理なんれす~」



「なんでよ?あんたそういう力ないの?」



手を離した。



「ハアハア……あくまで僕はナビゲーターでして……境を超えて転生した人が野垂れ死にしないようにサポートするのが役目で、それ以上の力はないのです」



「なんだなんだ、何の役にも立たないじゃない」



「すみません」



「なんか帰る方法知らないの?」



「う~ん…こちらの世界との境界が緩んだポイントにたまたまあなたがいたんですよね。ただ、それだけでは境界を越えることはできませんから、そのときに境界を越えるようななにか……強いエネルギーが君を次元の向こうに押しやったとか。結果、転生したということかと」



「強いエネルギーって?爆発とかそういうの?」

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