第22話

悲鳴をあげて走る女性を左右から槍を手にした侍が馬で追う。



左右で挟むように並んだと思った瞬間に、両側から串刺しにして、そのまま高く掲げた。



まるで人形を串刺しにして掲げるように、そのまま辺りを走りだすと仲間が喝采をおくる。




しかし残虐な行為を止めることはなかった。



太い棒で頭をかち割られた血を噴き倒れる者。



弓が刺ささったが絶命には至らずに焼かれながらのたうちまわる者。



幼い兄弟を団子を串に刺すように体を重ねて槍で貫く。



断末魔の悲鳴と狂気のような殺戮が私の耳から、目から、体の中に流れ込む。




倒れた人から流れ出る血は地面に溢れて、見る見るうちに血の池ができていく。




「全部……女?」



殺戮を楽しむ悪鬼の群れは全て女だった。



なんで?しかし今は考えている暇はない。

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