第15話

「死後の世界だ!!」



私はようやく合点がいった。



そう!ここは死後の世界なのだ!!



私はあのときビルから落ちて死んだ。



だからこんなわけのわからない場所にいるし、変な服を着ている。



「ハハハッ……なーんだ。案外普通の世界じゃん」



自分の置かれている状況を自己解決した私は妙に気分が楽になった。



どうせ生きていても良いことなんてなにもない世界だった。



だったら死んでも同じだ。



「ねえ鏡ってある?」



「はい。しばしお待ちを」



奥さんが促すと旦那さんが家に走って、手鏡を持ってきた。



「うっわー!笑える」



死後の世界の私は髪の毛を銀色の紐で結び上げていて、ほんとうに時代劇みたいな頭をしていた。

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