第9話

さっき脚立を使ったのは安全を確実にするため、跳び損ねれば地面に真っ逆さまだからだ。



でも仮に落下してもこいつらに搾り取られる生活より全然いい。



『私は私だ!!誰のもんでもない!!例え力がなくても、もう誰にも従わない!!』



心の中で何度も自分に行ったことを繰り返し、屋上のへりを蹴った。




あれ……?


空中で私のバランスが崩れる。


跳び損なった!?


死ぬ!?




自分が死ぬことなんて他人事、別世界のことのように考えていた。

それをリアルに実感したときはもう手遅れ……



私は隣のビルには届かずに落下していった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る