第38話
「うん。悪どい奴をやっつけるには、もっと悪い奴じゃないとできないと思ったから」
「毒を以て毒を制す…か」
「うん」
「いい考えだが一つ間違いがある」
「えっ」
「俺はただの悪じゃねえ。極悪だ」
言われて背筋がゾクッとした。
「相手は街の有力者に警察、ヤクザか。楽しめそうな相手だ」
「楽しむ…?」
「これだけ的が多いと殺し甲斐があるってことだ」
タバコをくゆらせながら笑みを浮かべた邪羅威に底知れない恐怖を感じた。
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