第12話

「愛泉」



ニコニコと破顔しながら鯨螺が私を手招きした。



「ここを案内してやってくれ」



「いいよ」



チラッと少女を見る。



「どうだ~可愛い蕾だろう?」



鯨螺が下卑た笑みを浮かべて少女の肩を抱いた。


ビクッっとおびえる少女。



「ん~?そんな怖がらなくていいんだよ。みんな優しいからね~」



宥めてから私を見ると手招きして傍へ寄らせる。

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