第16話
「塾の帰りだよ」
「そっか!晴信って昔から頭良かったもんね!私達、これから新宿に遊びに行くんだけど晴信も来る?」
こんな時間から新宿に中学生が何をしに行くのだろう?
瑠璃とその後ろにいる友人を見て思った。
「いや。俺は遠慮しておくよ」
「そうだよね…ハハッ、ごめん!」
瑠璃はなんだかバツが悪そうに笑うと髪をかき上げた。
風に流されてまたバニラの香が漂う。
「おいお前!そろそろ瑠璃から離れろよ!」
瑠璃の後ろで屯っていた中のメッシュを入れた男がいきなり晴信の胸倉に掴み掛る。
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