第52話

「退院したらその足で娘の家にいったら孫は学校から帰っていなくて…… しばらく待ったのだけどねぇ……」



そう話すお婆さんの顔は寂しそう。




2人でバス停のベンチに座ってバスを待った。




すると信号の向こうから誰かが歩いてくる。




それはあの隣にいる高校生だった。




一瞬ドキリとした。



お婆さんは高校生の姿を見止めると



「優希……」



と一言。




高校生の名前は「優希」




〝優希″の名前が私の心に刻まれた。




優希はこちらを見ると一瞬顔をしかめたようだった。



そしてさらに近づいてくる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る