第50話

「大丈夫ですか!?」



起き上ろうとするお婆さんの肩を抱いた。



見まわすともう自転車は見当たらない。




「どこか痛みますか?」



「ありがとうございます…… 痛っ」



「どこ?」



「倒れたときに尻もちついたみたいで」




お婆さんは笑いながら言った。



その笑顔がなんだか気持よくて私も思わず微笑んだ。



道に投げ出されたお婆さんのバッグを拾って手渡すと腰のあたりをさすりながらお礼を言った。




「あの…… 腰とかほんとに大丈夫ですか?もし痛むなら家にもどるか救急車でも……」




私が言うとお婆さんは手を振って

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