第43話

「オマエ、絶対面食いだよ」



「そんなことねえよ」




愛想笑いをしながらふと見ると2つとなりに座っている眼鏡をかけた奴が開いている雑誌に目が止まった。



「ちょっ……悪い」



立ち上がるとクラスメートをどけてそいつに話しかけた。




「ちょっとその雑誌見せてくれよ」



「え、ああ……」



同じクラスだけどこいつに話しかけたのは初めてだ。




少しオドオドしながら雑誌を俺に渡した。



開かれたページを見た。




『やっぱり!』



昨日、病院で見かけた女だ。




「あっ!小澤理央じゃん!氷村ってもしかして理央のファン?」



さっきまで話していた奴が横から話しかける。

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