第36話
何も考えずにこのまま抜け殻のようにいたい。
なにも考えずに…… 先生の死を認識しないように……
狂うことができたらどれほど楽かと思った。
先生は私の側にいるといった。
きっと見ていると。
でも私には先生を見ることはできない。
声も聞こえない。
彼が私を見ていてくれているのに私はそのことを実感することができない!
耐えられなかった。
私は先生の死を受け入れて未来を見つめて歩いていたのではなくて……
ただ悲しいことを我慢していただけだった。
我慢の限界がきたとき、私の中にあるのは先生との思い出と失った悲しみだった。
私は悲しみの底からの一歩も動けなくなってしまった。
一日に何度も先生のことを思い出して泣いた。
先生はどんな気持ちで私の愛情を受け入れてくれたんだろう?
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