第22話

「すみません」




「理央さん、身体が資本だからね…… 今日みたいにみんなに心配かけちゃダメだ」



「はい……」




地下の駐車場からエレベーターに乗って自分の部屋があるフロアについた。




廊下を歩いていると女性の怒鳴り声が聞こえた。



視線を向けるとドアが20センチほど開いていてストッパーで止めてある。



この家はいつもこうしている。




中途半端な時期には風も入るしちょうど良いのかも。




でも家族喧嘩がまる聞こえだ。



以前から通るたびに聞こえてくる怒鳴り声。




ただ、覚えがあるのは声だけで顔は見たことがない。

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