第9話

その後、私の意識が戻ったのでママは医者を呼びにいった。



私はトモコにボソッとつぶやくように聞いた。




「何時かな?」



「え?」



「時間。今、何時くらいかなと思って」



「9時すぎだけど」



「そっか……」




ずいぶんゆっくりと時間が流れているような気がした。




窓から吹き込む風がカーテンをフワッと持ち上げる。




トモ子が横にいることも忘れて窓の外をながめていた。




どこまでも続く大きな青い空。



いつか学校の屋上でながめたような空。

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