第22話

「それカワイイから盗む奴とか絶対いそうだし?」



「そっかぁ!」




「それに教師、特にウチの若い女なんてろくに授業もできないくせにこういうブランドとかには妙に詳しいから。意味不明な理由つけて没収とか平気でするかも」




私は理央ちゃんの言っている相手がうちの学校の国語教師だとわかった。




「それって…伊藤先生?」



「そう!伊藤!あとは仲間の校医の早川!マジあいつらIQ低いよ」




理央ちゃんが言い終わると二人で笑った。




言われてみればあの二人って、いつも合コンだセールだって会話してる。




授業も忍耐あるのみ!って感じでつまらない。




考えてみたら私達に教える人が普段から私達と同じようなことしか考えてないとしたら…



バカにしたくもなるかも。




笑いながら話していると駅に着いた。




「じゃあね、トモ子!またね!」




そう言って手を軽く上げると理央ちゃんは電車を降りていった。




私はドアが閉まって電車が動き出しても人混みに消えていく理央ちゃんの後ろ姿をずっと見ていた。

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