第57話

「先輩に謝ってください。今のは… 今のはひどいと思います!」



「えっ?なんだって?もう少し近くで言ってくれよ。ビビりながら言われても聞こえねぇよ」



智也は一歩前に出ると徹に近付いて繰り返した。



「ですから、先輩に謝ってください」



「智也、いいよ!帰ろう!」



「ほら、ご主人様が帰ろうって言ってるぜ」



「謝ってください。お願いします」



そう言ってる智也の顔はいつもの子犬みたいな顔じゃなくて真剣そのものだった。

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