第13話

僕は先輩に


「先輩の楽しそうにしている姿を見ると僕も嬉しいです」


なんてことを言ってしまった。



すると先輩は意外にも喜んでくれた。



でも最後にこう言った。


「今日のことは内緒にしておいて。思い出させないで」


そしてハンカチを僕に返して駅に向かって歩いていった。



僕は先輩が涙をふいたハンカチを握りしめて先輩の後ろ姿を見ていた。



家に帰ってから友達の田口と深井に報告した。



2人は同じクラスで同じ部活だ。



1年からの付き合いで僕が先輩に憧れてるのも知ってる。

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