第14話

そのまま歩道に運び、地面にそっと置いた。




「あとは朝になったら誰かが区役所に電話してくれますよ」




私はうなずくと猫の傍らにしゃがんで両手を合わせた。



すると男子もそっとしゃがんで私の隣で手を合わせる。




猫を弔ってから二人で歩き出した。




「優しいんですね」



「えっ」



「死んだ猫を放っておけないって」




「あなたも優しいじゃん。私のこと助けてくれたし、上着台無しにしてまでくるんであげたし」




さっき猫をくるんで男子の上着は血だらけで、手に持っていた。




とても寒そう……

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