おしりは宝物

ありもと優

第1話 おしりは大事





幼い頃から、お尻が大きいことがコンプレックスだった。友人たちは、華奢で身体の線が細い。それに比べて私のお尻は膨らみすぎ!


 「安産型のしっかりしたお尻ね」

おばちゃんにそう言われるたびに、トイレに籠って、泣いた。お尻ちいさくなりたいよぅ……

 学生時代に付き合った人には、お尻だけへこまへんか、と何度も言われた。そんなこと無理やろ…

 年齢を重ねていくうちに、お尻のことは、あまり気にならなくなった。私もその辺のおばちゃんになったんだなぁと感慨深い。



 小さい頃、しっかりご飯を食べた。

 スポーツもたくさん楽しんだ。

 私のお尻は、プリプリでいい。唯一無二だ。


 生身の身体は宇宙からの借り物だと思う。

 借り物は、いつか手放さなければならない。

 今日もお尻を大事にしよう。

 難しいことは、頭の良い人に任せるよ。

 私は変テコな自由ダンスを踊り、詩を書いて笑って泣いて、深い眠りにつこうと思う。

 眠る前には

 「お尻ちゃん、今日も一日ありがとう」

って感謝しとこかな。って思う。







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おしりは宝物 ありもと優 @sekai279

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