事実

@soumikana

この小説の作者はバカです

「おのれおのれ!」

息も絶え絶えなのに、魔王はそんなことを言った。

「魔王、お前の悪道もここまでだ」

「最後に、今まで殺した人たちに謝ってください!!」

聖女の口元をぼうっと魔王は瞳にとらえて

「黙れ、あいつらは我より弱かった、それだけだ、貴様はそんなこともわからないのか?」

「っクソ野郎が 謝れ謝ってください」

聖女の手元が光り、魔王を射止めんとする、いや、無数の火の矢がつくられた。放たれれば、魔王だけではなく確実に勇者や聖女もタダではすまないだろう。

「...」

「待て聖女」

しかし、その後に魔王城の一部が吹っ飛ぶことは起こらなかった。


その日、幸せな日々を送っていた人々を殺戮した魔王は、記録に依ると、死んだ。

勇者たちは途中で拾った一人の少女(それまで不幸だったらしいです)を連れて数年かけて国に帰った。王の間で報告をしたのち、宴会が行われた。宴会には勇者一人だけで、ほかの二人は体調不良で欠席した。それならばと、二人は勇者に一つの部屋に押し込んだ。

明くる日、宴会に参加した勇者は病死した。

勇者と旅をしていた二人は、新たな宗教を立ち上げた。人間の弱さと強さを肯定も否定もしない、人の可能性を主とするものだ。

後に、宗教率約のれおのれ!」

息も絶え絶えなのに、魔王はそんなことを言った。

「魔王、お前の悪道もここまでだ」

「最後に、今まで殺した人たちに謝ってください!!」

聖女の口元をぼうっと魔王は瞳にとらえて

「黙れ、あいつらは我より弱かった、それだけだ、貴様はそんなこともわからないのか?」

「っクソ野郎が 謝れ謝ってください」

聖女の手元が光り、魔王を射止めんとする、いや、無数の火の矢がつくられた。放たれれば、魔王だけではなく確実に勇者や聖女もタダではすまないだろう。

「...」

「待て聖女」

しかし、その後に魔王城の一部が吹っ飛ぶことは起こらなかった。


その日、幸せな日々を送っていた人々を殺戮した魔王は、記録に依ると、死んだ。

勇者たちは途中で拾った一人の少女(それまで不幸だったらしいです)を連れて数年かけて国に帰った。王の間で報告をしたのち、宴会が行われた。宴会には勇者一人だけで、ほかの二人は体調不良で欠席した。それならばと、二人は勇者に一つの部屋に押し込んだ。

明くる日、宴会に参加した勇者は病死した。

勇者と旅をしていた二人は、新たな宗教を立ち上げた。人間の弱さと強さを肯定も否定もしない、人の可能性を主とするものだ。

後に、宗教設立者の片っぽ(彼女は前世で大罪を犯したと自称してる。その前世からこちらに来るとき、天をまたいでか地獄をまたいでかを聞くと、日によって返事が違うらしい)はこう言う。

「人は良いことも悪いこともできる。心がどうあれ、知識がどうあれ、そう行動できる。多くの欲を持てるし、少しの欲を持つこともできる。そして、それらのうち一つだけのように「悪人」だとか「善人」だとかの言葉で人を決めつけるには、一場面を切り抜いてある場所からみないと、定義することはできない。我、そして私はそれを知っている」

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