詩集《独言》

月宮 和香

自己中心“敵”な私

なんともまぁ、鏡に写る私は身勝手で醜いのか。

この世の全てが美しすぎて眩しく見えるほどに。

けれども、鏡の外に在る本当の世界は違うのだ。

単に私の眼や脳がそう見せているだけに思える。

いいや、見にくくさせているだけなんだろうな。


なんともまぁ、聞こえてくるのが言の刃ばかり。

垂れ流される音の調が優しく慰めているように。

けれども、イヤフォンを外した世界は違うのだ。

単に私の耳や心がそう聞かせてるだけに思える。

いいや、刃物に見立てているだけなんだろうな。


きっと分かっている、解っているのだとも。

誰も私をどうも思っちゃいないのだろうと。

それほど他人を気にする人などいやしない。

けれども、私が私を敵に仕立て上げるのだ。

だから、私は私が憎く、私は私を傷つける。


それが「自己中心的」な答えなのだから。

皮肉効いた現実的で妄想的で利己的で、

一方的で圧倒的で悲劇的で喜劇的な詩。

敵はいつでも自己中心に在るのだから。

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