第15話 インコ
ビルの最上階に近づくにつれ、田熊と狗飼は緊張感を増していた。薄暗い部屋の隅には、ケンドーコバヤシに似た体格の男が座っていた。彼の目つきは鋭く、何かを企んでいるようだった。
「お待ちしていましたよ、田熊さん、狗飼さん。あなた方が私の仕事に興味を持つとは思いませんでした」と男は言った。
「お前は誰だ?」田熊は警戒を隠さず問いただす。
「私はこの町の偽医者です。医療関係のブラック企業に属していて、人を騙して金を得る仕事をしています」と男はにやりと笑った。
「偽医者?それが何の役に立つんだ?」狗飼が聞くと、男は目を細めて答えた。「簡単さ。人々から膿のように搾り取るんです。しゃぶしゃぶのように、すべてを吸い取る」
田熊は不快感を覚えつつも、その言葉に耳を傾けた。「お前の言うことには興味がない。俺たちはお前の組織を潰すために来たんだ。未遂で終わらせるつもりはない」
男は大きく笑い、背後の数人の部下に合図を送った。「それなら、遊びましょう。ちょっとしたゲームをして、あなた方の運命を決めてみませんか?」
部屋の隅にあったインコのケージが揺れ、色鮮やかな鳥が一羽飛び立った。田熊はその動きに反応し、周囲を警戒した。「そのインコが何か関係しているのか?」
「いや、ただのペットさ。しかし、君たちがここにいる限り、彼の運命は決まる」と男は言った。
「俺たちの運命?お前の手の中にあると思うな!」田熊は怒りをあらわにし、部下たちに向かって突進した。狗飼も後を追う。
男はデスクから何かを取り出し、田熊に投げつけたが、田熊はそれをかわして男に詰め寄った。部下たちが銃を構えるが、田熊の反応は鋭い。
「逃げるなら今のうちだ、俺が相手する!」田熊が叫び、男の隙を突いて攻撃を仕掛けた。
混乱の中、田熊は男に近づき、一撃を加える。しかし、男は素早く身をかわし、逆に田熊を押し返した。
「未遂に終わらせたくないのは君たちのほうだ」と男は冷笑し、「さあ、どうする?君たちの未来は、俺の手の中だ」と続けた。
田熊は男の目をじっと見つめ、「未来を決めるのは俺たちだ」と言い放った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます