ダンジョンコラボ配信でバズりたいと思いますが、変人しか集まりません
夜野 舞斗
1.変態ヒーラーと地底ダンジョン
「あの……ここなら全裸になってもいいですよね」
茶髪清楚系の女子がいきなりそんなことを言い出したら、一旦自分の頭がおかしくなったのかと疑うに決まってる。
しかし、彼女はもう一度僕に向けて囁いた。
「このヒヤッとした感覚、気持ちいいんです。ヒーラーは癒しの回復をする中でも相手に快感を与えなければならないと思うのです。そのためにはこの冷たい場所で全裸になって快感をしないといけないと思うんです。仕事です。へ、変態とかじゃ……ないんだからね?」
「仕事って言えば、何でも許されると思ってない!? なんかすごい真面目なツンデレ風に言ってるけど、結局はただのド変態ですからね!?」
ダメなものはダメだ。
例えこの地底湖がヌーディストビーチで脱ぐことが許されていたとしても、だ。
僕が今撮影しているのは健全な子供達にも見てもらう動画だ。彼女のきめ細やかな白肌と胸が映ってしまったら、子供達に大いなる悪影響を与えてしまう。
いや、それだけではない。彼女の全裸によって僕のアカウントがBANされてしまったら、このチャンネル登録数五十人という大切な視聴者様達も失うことになる。
本日はその登録人数を増やすために生配信コラボをしたというのに。
彼女は白いオーブを今にも脱ぎたいとでも言うかのように手で胸元をひらひらさせている。
「それにコラボだし、少し位エッチなサービスは必要ですよね?」
「サービスって何ですか!? んなもんいりません! 子供が見てるんですよ!?」
「だったら、その子供に大人の階段を昇らせましょうよ」
「勝手に上がらせないでください! アンタは一体何処で階段踏み間違えたんですか!?」
本当に危ういものだ。彼女はもう胸を出そうとしている。そのたわわな胸を。もし、撮影でなかったら……。
いや、そんなことを考えてはいけない。
いやがおうでも露出をしたがるコラボ相手よりも地底湖を撮ろう。その方が登録者数もきっと伸びてくれるはず。
僕は自然と地底湖の方へとカメラを向けていく。
最中、バシャバシャと水の中で何かが動くような音が聞こえてきた。
「おーい! そこの君達も湖で泳がないか! 古代魚にあそこを食われそうになりながらもするスイミングはきっもちいいもんだぞー!」
「あら、おっきぃ……です! あんなの……ヤバすぎます……」
大きいのは男を食おうとしている巨大魚のことだろうか。なんてくだらなくて、危ないことをしているのだろうか。
僕はその男が全裸なのに気が付いた。そしてその男の姿が画面にばっちり収められているところにも気が付いた。
「あっ……」
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