姉弟プレイ ~お姉ちゃんと呼ばれたい~
G3M
第1話 下着
年末年始を過ごすため、恵子と明彦の姉弟は両親に連れられて温泉宿に泊まっていた。元旦の夜、家族向けの和室で夕飯を食べた後、家族そろって温泉に入りに行き、それぞれに部屋に帰ってきた。長風呂の母親はまだ戻ってきていない。
父親の達也はリモコンでテレビのチャンネルをまわしており、明彦は広縁の椅子に座ってくつろいでいた。
恵子は自分のボストンバッグを開けて「私の下着がない!」と声を上げた。「さっき着替えた下着がないわ!」
達也と明彦は恵子を見た。恵子は明彦の黒いスポーツバッグのファスナーを開けて中をかき分けると、「あったわ!私の下着よ!」と言ってブラジャーとショーツを右手でつまんで高く持ち上げた。
「明彦ったら、お姉ちゃんの下着を盗むなんて変態だわ!」と恵子は冗談っぽく言った。
「ぼくじゃない」と明彦が言うより先に、達也が「何をするんだ!」とどなって明彦の頬を張り飛ばした。明彦は倒れて達也を見上げた。
ちょうど風呂から帰ってきた母親の裕実が、ドアを開けて入ってきた。「何をしているの?」と裕実が眉間にしわを寄せて言った。
「それはだな、明彦が恵子の下着を盗んだから注意していたんだ」と達也。
裕実が明彦の腕をつかんで立ち上がらせた。明彦の赤くはれた頬に涙が伝っている。「本当なの?」と裕実は明彦の目を見て聞いた。
明彦は首を横に振った。
「あなた、ちゃんと明彦から事情を聴いたの?」と裕実は達也に言った。
「いや。だが、明彦のバッグから下着が出てきたんだよ」と達也。
「恵子、またあんたね?」と裕実。
「ちょっと明彦をからかって遊ぼうかと思ったら、お父さんが怒っちゃった」と恵子。
「あんた、この頃、度が過ぎるわよ」と裕実。
「ごめんなさい」と恵子。
「それであなた、どういうこと?」と裕実は達也に言った。
「どうって?」と達也。
「前にも言ったはずよ。明彦に暴力を振るわないでって」と裕実。
「だが、恵子は年頃だから気になるだろう」と達也。
「何が気になるの?」と裕実。
「明彦が間違いを仕出かすかもしれないだろ」と達也。
「明彦が間違いですって……」と裕実。「恵子のいたずらに決まってるでしょ。」
「でも恵子に何かあったら大変だろう」と達也。
「何かって、何よ」と裕実。
「だから明彦が」と達也。
「明彦が何をするの?」と裕実。
「つい出来心で悪いことを考えないとも限らんだろう」と達也。
「あなたの方がどうかしてるわ」と裕実。「この子たちは姉弟なのよ。」
「まあそうだな」と達也。
「それで、もう一度明彦に暴力を振るったら別れるって言ったはずよね」と裕実。
「だが今回は恵子のことだったから」と達也。
「恵子恵子って、そんなに恵子のことが大事なら、二人で暮らしなさい!」と裕実。「私は明彦と出ていくわ。」
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