第9話 逃げろ

「………―――――――見つけたぜ。」


三人は地中船を手に入れました。



魔女の城からとにかく…!

一刻も早く脱出を…!

「ちょっと待ってエンジンとかは!?」

「…わたし…地中船…ドキドキ…!」

「やったな、二人とも」

「プレム…ほんと…凄すぎって言うか…派手な子じゃないのに…やりすぎよ、もう」

「ルイマ…ブレムの事すき…?」

「な、なに、急に!?」

「…ブレム可愛いの?」

ちょっと赤らめた、ルイマ。何よこの子…なんだか天然なんだか解らないけど、そのような事を、スラっと伝わないでよ。


「…私から見たら可愛い。おとこっこよ」

「…そぅ」


「さぁ、地中船に乗ろう ! いそげ ! 」

3人は地中船に乗ると土竜の拳の様に地中内部を走り動きだした。




間一髪。

辺りはしんとした…。

「……ねぇ。ブレムって派手な子…。」

「え?緑に包まれた大地の子よ。見たまんまじゃない」

「…ちがうの?…」

「貴方の想うブレムを好きだと信じなさいよ」

「…ルイマの事もすき。」

「え?…あ、あぁそうなの。ありがと…」

「ルイマは…?」

「え?わ、わたし?」

私は…

「…」

「…」

「?」

ヴァースは、ピョン…と一歩踏み出しブレムの元へ駆け寄り操作を手伝う。

仲むつましく地中船の機械に触れ電源を上げる二人。…ちょっと難しいみたい。

「…。」


『私って、ブレムといっしょに居る時どんな風に映るんだろう…?』


地中船、進め、未来を乗せて。





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