第5話 小学校

妹がうまれた。

可愛くて可愛くて仕方がなくて、ハイハイしている妹を

ずっと追いかけ回していたことを覚えている。


小学校1年生で妹が生まれて、


私は親から構われなくなった。と、感じた。


どうしたら親は自分に目を向けてくれるのだろう。


兄をライバルと認定し、運動、勉強と

とにかく勝たなきゃいけない。

勝たなきゃ褒めてもらえない。

そう思った。



幼稚園の頃からしていた、バレエもピアノもサッカーも辞めて、

中学年の頃には水泳もやめ、

高学年の頃には、続けているのは、お習字とバレーボールくらいになったのかな。

塾も通い始めて。



バレエは体が硬すぎて、ストレッチが嫌いだった。

ピアノはバレーボールを始めるにあたって、突き指になったら弾けなくなるから。

水泳はバタフライができなさすぎて挫折。

諦めやすい、継続力のなさは昔からなのかも。



でも、とにかく全ての兄と被っている習い事は勝ちたかった。


ライバル視していた兄だけど、

とにかく運動神経がよくて、

どうしても、どう頑張っても、何をしても


勝てなかった。


兄は身長も高いし、足も早い。

リレーはいつもアンカーだし、マラソン大会もトップ争い。

サッカーは選抜で海外にも行っていて、学校の体力測定もトップ争い。


私はいたって中の上。


それでも、運動神経は良い方だって胸を張れるくらいではあったはず。

今ではもう、微塵もかけらもないけど。



兄に勝つには勉強しかなかった。

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拙い私のここまでの人生 @tanaka_dayo

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