第4話 Fryday cynical night plan
REM
御在世の蒙古襲来は遠く忘れられ、第二次世界大戦の戦禍も遠く、人々は発展した文明の下、安逸の夢を貪っていた。
REM
#1 音楽室
音楽の時間は楽しいが修羅界きついな、と言うのが四人の統一見解だった。”私の音楽を聞けぇ”と言う自己主張が強すぎて。そうかと思うと、控えめを通り超えて、保守的でオリジナリティがなかったり。
「益体がないな」
「そんなもん高校生の音楽に求めるか」
「在るわよ、普通に」
「志田さん」
「何、秋野くん同世代批判?」
「外道には解り辛い話」
「頑迷で、たいへんそうね、栗田さん」
「……委員長」
「黙りなの、丘崎くん」
「ーー辞めとく」
委員長こと志田灯が去っていく。
「何だろうなぁ」
「虫の居所の話?」
「尼野さんにはあまり無い?」
「委員長、進路が。」
「就職組だっけ」
「難儀だな」
秋野の一言で何となく話は断ち消えになった。何故か気まずくなり、適当に楽器を、持ち込みのギターやら、エレピやらを演奏した。
ギターのコードが止まる。
チャイムが鳴る。
「はい、自習終わり」
#2 コンビニ
角の店で。
音楽を聴きながらポストする。
TLには適応不安定な少女達のポストが。
明るく笑っているが、裸、もしくは其に準ずる姿を世間に晒していて平常心では居られない筈。
自撮りの訳もなく、撮影部隊がどこかに潜んでいるに違いない。商業用だと言ってしまえば、そうなのかも知れないが、其の商売を牛耳っているのは、男。組織。此処じゃ○暴とか●ザとか言われる類いの誰かがやっているのだろうと考える。資金源と言うわけだ。
其の女の子は体を泥だらけにして、泊めてくれと訴えていた。朝、残金が十数円しかないといっていた少女だ。泥地に足を踏み入れて泥々。どう見ても自殺未遂、だった。泊めてくれは止めてくれだったのだろう。
対策を幾つかポストしたのだがどれくらい役に立っただろう?上手く行けば内閣が救出の部隊を送っている筈だった。
世界的に身分分化と復古的封建化が始まっていた。阻止するのは結構骨かもしれない。仏法に違するのだから抑止は必然的に成功するはずだが、魔は競うもの。油断はできなかった。
金曜の夜。
ショーウィンドウの向こうの街。
歩道を人々が通りすぎていく。
見慣れた景色。
隣の女性が席を立つ。
時計を見るともう午後七時半だった。
自動ドアが開く。
外へ出る。
11月15日。
首の皮一枚日常な街。
東京も、世界も、偶然出会うには広すぎた。
if 広宣流布 then 国立戒壇建立仏国実現
else
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