他国侵逼~「異」の侵略と”アポカリプス”~
一憧けい
Act 1 背正帰悪と理想の世界
第1話 1 広宣流布未達。今、広宣流布出来るかできないか?
<前段>
”日本は今、亡国の前夜を迎えている!まもなく起こる巨大地震の連発を号鍾として”
(第二回目の諌暁書か……)
平成十六年に発行された「再び日本国民に告ぐ 日蓮大聖人背く日本は必ず亡ぶ」。
何時の間にか国家破産することも無く、現在に至っている。領域限定飴と鞭経済の施行で全体の国家破産を逃れつつ、幸いにして巨大地震の連発による大災害も猶予され、クーデターも表立った他国からの侵略も無いまま、全世界的感染症の蔓延を被りつつ、日本は現在に至った。鋭く対立した米中もデタントを迎え、世界を席巻したpm2,5等の粉塵状生物に因るバイオハザードも一年ほどので収まった。
以前不穏な動きを潜在させながら、何時火を噴くかわからないまま、世界は奈落へと落ちつつあった。
<Act 1>
#1 大泉学園駅コンビニ
長い夏が終わり、未だ蒸し暑い此の街も次第に秋に遷ろうとしていた。
コンビ二の窓の園に見える予備校の校舎。意外に学生の出入りは見られない。何処から出入りしているのだろう。
いつもの様に仏法の書は街頭朗読した。
今はコンビニのイートインで彼女を待っている。
携帯がヘッドホンで結構な大音量で最近の歌を歌っている。
Android携帯。実は脳を改造された人達が自律支配を実行する為に開発されたという話が有る。何処まで本当か知らないがは大概仏弟子、元仏弟子という話だ。三日後にはオンライン集会があるが未だその話題に成った事は無い。
目の前に、携帯、ドリンク、広告文。空になったドリンクの代わりを買いに立ち上がる。
#2 大泉病院
都内でも大きめの精神科病院。
大泉学園駅からはバスで十分程かかる。
心理室の寝台を見る。
誰も載っていない寝台。
何でもない。寝台だ。―—何があるというのだろう?
何故そこを見ているのか判らなくなって、離れた。
既視感めいた不快感を感じた。
デスクに座りなおす。
エクセルに似た表計算ソフトが起動している。心理統計用のソフトウェア。患者の心理に関する実験データ入力をしている。せめてマークシートにすればと思うのだが、被検者に露見すると実験の精度が下がるので使えない。下請けにマークシート化してもらうという話もあったが、それぐらいなら直接打った方が早かった。
左手はドアと壁、右手の窓は波ガラスで外の景色は見えない。心理室は閉鎖的な空間だった。
其れでも判る暗くなった外。
腕時計を見る。午後六時。
七時半には移動できそうだった。
#3 新宿
立体テレビの立体広告。
新宿では意外と目立たない。改装されたばかりの駅の他観光の要所があり過ぎてめだたないのかも知れない。西口のビルも変わっているが、立体テレビも相当な変わり種に見えなくも無いのだが。舞台装置は誰かの小説の進取の気勢旺盛な方の新宿だった。
東口を東に向かって歩く。歌舞伎町方面。用が有るのは直ぐ其処左手の携帯会社のテナント。落ちてロックされたコードを解除してもらいに。併せてずっとこっちの携帯会社だったんだけど、皆最大手旧公社の携帯会社を使っているというので、解約の相談もしなければならなかった。MNPも使えるけど、湯没に足の着いた携帯番号は何時までも使えない。奴も湯没には気をつけろといつも言っている。間接だが。
実のところ何処奴どうしているか。今もあの辺で暮らしているのだろうか。
どうせ、例の女とよろしくやることを夢見居ているのだろう。
―—朴念仁ではないにせよ、そう言う意味で間抜けな男だった。
If 広宣流布then国立戒壇建立、仏国実現
else
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