夜 明 け 迄

蘇零

第壱話 夜ノ街



此処 は 、 夜ノ街 「 遊郭 」

夜になっても賑やかで 、

至る所で 「 花魁 」と呼ばれる女性が 、

俺達を勧誘している 。


あァ 、 申し遅れていた 。

俺の名は 、 夷那 颯寿朗えびな そうじゅろう

只 の 、 下っ端の武士である 。


強くもなければ弱くもない 、

運良く生き残っているだけだと思う 。


そんな俺が今日 、 此処に来ているのは

古くからの友に誘われたからである 。


『 見ろよ!颯寿朗!!あの仔めちゃゞ可愛くねぇか?!おォ、あの仔も!! 』


隣で、叫んで話し掛けてくるのが、

俺の古くからの友人で幼なじみの、

奏朶 佐舞郎 そうえだ さぶろう

である。


見ての通りの女好きで 、

誰彼構わず、女性には可愛いを連呼 。

全く、困った奴だ 。


『 おーい!聞いてんのか?? 』


「 あァ、聞いてるよ 。 それで、何処の店入るんだ?? 彼此かれこれ 5往復はしてるし、疲れてきたぞ? 」


『 お前は分かってねェなァ ?? 全員可愛くて迷うもんなんだよ。 もう少しだけ待ててって 。 』


「 はァ、、分かったよ 。  」



気だるげにそう呟けば 、

俺もきょろゞと辺りを見回す 。

そうすれば 、 1人の女性と瞳が交わった 。


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