第9話
キーウの正体に迫ろうとする湾岸署の捜査は続いていたが、まだ核心には辿りつけないままだった。そんな中、組織内で噂されている「新たな組長」についての情報がもたらされる。噂では、キーウの組織の中枢にいるこの組長が、強力なリーダーシップと冷徹さを持ちながら、最近は心を病んでいるとも言われていた。その様子はまるで鬱に苛まれているかのようで、湾岸署の刑事たちはその心理状態を突く方法も模索し始めた。
新展開:吊り橋での対決
捜査が進むにつれて、組長が郊外の山奥にある吊り橋で重要な取引を行おうとしているとの情報が入る。すみれ(深津絵里)と北川(竜星涼)は、その取引の場に急行し、吊り橋で直接組長に接触する計画を立てる。
しかし、警戒厳重な橋を通って接近するのは至難の業であり、部下たちが周囲に目を光らせていた。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。すみれは、あえて正面突破を決意し、思い切って組長に向かって橋を渡り始める。彼女の気迫に呆気に取られた組長の部下たちは、一瞬動きを止め、すみれの決意に圧倒される。
パティシェとの意外な協力
橋を渡りきったすみれと北川は、組長と対峙する。彼の側には、一見無害に見えるが実は組織の情報を握るパティシェ・長谷川(演:堺雅人)が控えていた。長谷川は、普段はケーキ職人として「スイーツの巨匠」として知られているが、実は組織の資金運用に深く関わっており、隠れた情報網を駆使して組長をサポートしていた。
すみれは長谷川に接触し、組長との対話に応じるよう説得を試みる。長谷川は意外にも彼女に心を開き、組織の一部について話し始める。彼は「甘いものはシェアしてこそ楽しめる」と語り、組長の冷酷さとは対照的に、人と分かち合うことの大切さを信じていた。
組織壊滅への一歩
長谷川の協力を得たすみれたちは、組長を追い詰めるための証拠を手にすることができた。長谷川が話す組長の孤独な姿に触れ、彼の心の内を知ったすみれは、組長の真の目的がただの利潤追求ではないことを察する。しかし、いかなる動機であっても、多くの罪を重ねてきた組長の行為が正当化されるわけではない。
エピローグ:
すみれたちはついに組長を法の下に引きずり出すことに成功し、キーウの組織は大打撃を受けた。しかし、事件が解決に向かう中、組長の悲しげな表情がすみれの記憶に残り、彼女は彼の過去と心の傷に想いを巡らせる。正義と人間の複雑さが交錯する中で、湾岸署の刑事たちは新たな一歩を踏み出し、闇を切り裂く光を求めて進み続けるのだった。
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