第52話 暗殺者軍捕縛劇

 仲間殺しの犯人を追いかけて転位を繰り返す。敵は相当手慣れているプロのようだ。なかなか追いつけない。

だが俺達には【念話】があるから、3人で連絡を取り合って3方向から追い詰めている。


やがてとうとう追いついた。【敵察知】に周囲に5人の影が現れた。

奴は俺たちを罠にはめたと思い込んでいるだろうが、残念だったな、罠にかけたのはこちらなのだ。3人で協力してここに集まるように追い込んだのだ。


ここは人の来ない山の中。逃げられないように,結界を張ってある。入るはやすく、出るには困難な空間を作り上げていたのだ。


先ずは狙撃手をキックとパンチで失神させておく。

新たな5人の敵は3人で無力化していった。

敵はナイフや、棒に似せた仕込み杖で襲い掛かる。

「秋葉さんはもう1人倒してるから仕込み杖の男をお願いします。私たちで残りの4人を相手するわ。これで2人ずつの討伐で公平でしょ」


メアリーの言い草に男どもは激昂した。

「なめられたもんだな!女どもは殺さずに慰み者にしてやろうと思っていたがこうなりゃ構わん。全員なぶり殺しにしてやれ」

「「「「おおー」」」」


「慰み者ですって1?」「なぶり殺しですって?」

「秋葉さんこいつら殺しちゃっていい?」

「やめとけやめとけ、こんな雑魚のために殺人者になる必要はない。せいぜい手足の5,6本も折るだけにしておけ」

「チッ仕方ないなあ。その代わり、自殺したくなるくらい痛めつけてやるわ」

「メアリー舌打ちなんかしちゃだめよ、こっちが悪役みたいじゃない。でも自害されたら尋問できなくなるから自害できない呪いを掛けておくわね」


うちの女の子たちってなんか怖いなあ。

その後は敵の男どもが可哀想になるくらい、一方的なリンチの場と化した。


「みんな伸びちゃったけどどうやってダンジョン庁に運ぶ?」

「それなら心配ないSS級になったらストレージに【生命体保管空間】が増えたからそこにいれておくよ。だが、椿には報告しておくよ」

「なら安心ね。殺されかけた男もそこに入れてあるのね」

「ああ、顔を合わせるとまた殺されかねないから違う部屋に入れてあるけどな」


先に椿に連絡を入れてダンジョン庁東京本部に転位した。


「また襲われたんですね。懲りない奴等ですねえ。それにしてもこんなにも沢山の危険人物が日本に入ってきてるなんて驚きですなあ、これだから日本はスパイ天国といわれるんですねえ」


「そうですねえ、どうにかして欲しいものですね」


等と世間話みたいな報告だったが、近い将来大事になるとは思っても居なかった。


襲撃者共を預けて俺達は第3S級ダンジョンの調査に向かった。

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