第50話 A級ダンジョン全制覇
俺のストレージに知らないうちに新種の薬草が収納されていた。【金属腐食液】を作るのに必要で、俺は勝手に【腐食液助力添加草】と呼んでいた薬草だ。
後にシンプルに【添加草】と呼ぶ薬草がS級ダンジョンで入手出来たのだが、それは本来の薬を作るのに必要で、【金属腐食液】は作れない。
なので【腐食液助力添加草】は俺にとって貴重な薬草なのだ。大切に保管して置く。
91階層からの階層主は【エンペラーファイヤー何とか】と言うモンスターだったが紗耶香と紫苑の敵ではなかった。
99階層主の【エンペラーファイヤーキメラ】を倒してとうとう100階層だ。ここまで氷魔法と言うか【温度変更スキル】で階層主は討伐出来た。
次はいよいよ【炎竜】だが、紗耶香たちは自信満々だ。
100階層主のドアを開けると活火山の噴火口の広場だった。
暑い。
ここには【超熱帯パイナップル】が収穫を待っていた。
ラスボス退治前に収集人のお仕事を済ませよう。足元も熱くなっているので今回は飛行しながら収穫していく。
3人とも飛行技術が巧みになっている。短時間で9万個収穫出来た。
その時3頭分の【炎竜】の咆哮が聞えた。
今回は俺も討伐に参加しないといけないみたいだな。
地上に2頭現れて、空からも1頭飛んでくる。
「飛んで来る奴は俺に任せろ、お前たちは地上の奴を相手してくれ」
「「はい」」
俺は空からの攻撃が2人に当たらないように2人の頭上に強力な結界を張っておいて【ファイヤーブレス】を放とうと大きく口を開けて襲ってくる1頭の口の中に【冷凍魔法】をぶち込んでやった。
俺の冷凍魔法は本来ならば食品保存用の生活魔法を、魔力を増大させて威力を高めているのだがスキル交換によって攻撃魔法も使えるようになっていた。その為に魔力100倍で放ったらとんでもない威力になって【炎竜】の口の中だけでなく全身が凍り付いてしまった。
「やべ!」
飛行能力を失ったそいつは2人の頭上に落下していく。
「強制収納」
頭上結界スレスレでそいつはドロップ品に変わってストレージに収納された。
(危ない危ない)
2人の気持ちを乱すところだった。
一方、紗耶香も紫苑も俺と同様に冷凍魔法で相手を弱らせて強制収納で討伐完了した。
「凄い凄い。以前より膨大な魔力量になってて焦っちゃった。次からは魔力量の調整をしなくっちゃ」
紗耶香も威力が増大しているようだ。
「私も魔力量がとんでもなく増えています!怖いくらいで
す」紫苑も言う。
スキル交換しておいて本当に良かった。
これで日本のA級ダンジョンは全部制覇完了だ。
紗耶香も紫苑もご苦労さん。
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