第47話【氷竜】ダンジョン100階層
99階層主は5頭のシャチ【エンペラーアイス・オルカ】だ
2人がどう戦うのか興味深くて上空で高みの見物と洒落込む事にした。
モンスターの場合はどうか判らないがシャチの脳みそは人間の5倍も有るとか聞いたことがある。彼ら独自の言語を持っていて、連携のとれた行動をするのだと聞いたことがある。
紗耶香と紫苑は10mの間隔を開けて横に並んで迎え撃つつもりのようだ。シャチの体長は10m位ある
勢いに乗って突っ込んでくるやつらのうち2頭が5m手前で急に横向きになった。紗耶香のほうの1匹は左方向へ、紫苑側の1頭は右向きに。残りの3頭はスピードを緩めて次の行動に備えている。
先に横向きになった2頭が尾鰭でそれぞれの目標に向けて尾鰭を振るった。だがその行動はあらかじめ張られていた結界に阻止されて跳ね返えされた。
当たっていたら跳ね飛ばされただけではすまなかっただろう。
一瞬動きが止まった2頭のシャチそれぞれに紗耶香と紫苑が転移してシャチの潮吹き穴(
シャチの体内でバチバチ放電しているさまが透けて見えるようだ。心臓が止まったのかの味噌が焼けてしまったのか2頭の シャチは息絶えてストレージに収納された。
シャチ共よりも彼女達の方がより連携が取れていたな。奴らの弱点もバッチリ把握していた。
お判りだと思うがシャチの弱点は噴気孔に剣とか槍を突き刺さされて体内に魔法攻撃を受けると思ったよりも簡単に倒せてしまう事だ。
これを見た残りの3頭は怒りに任せて大きく口を開けて突進して来た。3頭間隔を開けずピッタリくっついて来る。紫苑が真ん中の1頭の潮吹き穴(噴気孔)に刀を突き刺してそこへ紗耶香が特大の雷を放つ。ピッタリくっついていた分、雷は両隣の2頭にも放電して死滅した。両隣のシャチの噴気孔にも安物の鉄剣が刺さっていた。紫苑の目にもとまらぬ早業だ。まさに一石二鳥ならぬ一石三鳥だ。
脳みその大きさは小さくとも人間の方が賢かった!
お忘れかも知れないが、シャチと呼んでいたのは【エンペラーアイス・オルカ】という名のモンスターだったことを伝えておこう。せめてもの
さあいよいよ100階層だ。
大雪原が広がる。
ここには【氷竜】ダンジョン名物の【冷凍ミカン】がたわわに実っている。まずはそれを収集していく。俺達にとっては大事な商品だ。高級レストラン、高級ホテルでデザートとして珍重されるのだ今では日本ダンジョン産の冷凍ミカンが全世界で大人気だと言う。俺達はストレージに大切に丁寧に収納して行くが、よその国では粗雑に扱われているのだそうだ。
ラスボスの氷竜が現れるのは冷凍ミカンが3万個収穫された時点だったが今回はどうだろう?S級収集人挑戦者が2人居るのだ。もしかしたら6万個収穫時点になるかも知れない。そうだといいけどな。
淡い期待を胸に,熟した果実の実を走りながら強制収納していく。勿論雪原の上には結界の足場が張って有る。
ところが紫苑は飛行魔法で飛んで収穫することに挑んでいる。新しい事に挑むのはいいことだ。
これでも丁寧な仕事をしていると言われるなんて、よその国では一体どんな仕事をしているんだろうなあ、想像も出来ない。
俺は今日は見張り番だ。
前回は氷の付く名のモンスターが前座で出て来たのに今回はまだ現れていない。そのための見張り番だ。
ついでに足元を鑑定してエリクサーの素を探す。氷竜を倒したのちに出現するのかも知れないけどね。
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