第3話

「頭がいてぇ」



そう言ったのはレオだった。



「えっ?風邪?」



可哀想な青山ノアはいちいち奴らの可愛い嘘を信じて、今度はレオのひたいに触れて熱を図ろうと立ち上がった。



「ノア!俺腹痛い!保健室連れてって」


「へ!?大丈夫!?」



あと一歩でレオの元にたどり着くはずだった青山ノアはハルに捕まり廊下に連れ出された。



キッ。とレオとユキがハルを目で追った。




青山ノアの腰に手を回し、自分よりだいぶ低い位置にある青山ノアの頭に頬擦りしたハルはレオとユキに向かって挑発てきに舌を出して廊下を歩き出した。




「……ユキ、スコップ持ってこい。俺は野球部からバッドを借りて来る」


「……了解だよレオ君」






ハルを土に還す恐ろしい計画がたてられてるその横で、俺は自分の指先に巻かれた絆創膏の存在を2人が思い出さない事を心の底から願った。




「1day」 end

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