第16話

「だぁ~いじょうぶだって!俺そういう系上手くやれる派だし!」



どういう系が何派だって?



「は、はぁ…」



そんな突っ込みをグッと胸に押し込める。



「じゃ、案内するから着いて来いよ美…」


「飛鳥って呼んで下さい」



……大丈夫かな、この人。先が思いやられるな、とため息をついたあたしはエントランスのような広い玄関に通された。



「広いですね!?」


「ここ元々ホテルだったんだよ。訳あって今は格安で寮になってるけどな」


「そっか……。でも訳って何なんですか?もしかして曰く付きとか!?」


「………」



……おいおい。沈黙って事ぁ図星じゃねぇだろうな?……と飛鳥っぽく胸の内でぼやいてみる。



「今通った玄関は男女共通な」

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