第9話
「てめぇは俺が行くはずだった寮の共同生活に、俺のふりして行け。俺は怪我が治りしだい行く。そしたらスムーズに俺らは入れ替わる!俺を怪我させたお前には俺の言う事を聞く義務があるし、バイトして遊び回ってるお前の暇潰しに調度良い話しだろ」
「なっ……!」
淡々と命令して来る飛鳥に何も言い返せずにあたしは口をパクパクさせてた。まるで間抜けな鯉。
「だいたいお前が早く部屋出てけっていうから先輩に頼んで寮を探したんだ!なのに美湖は俺のそんな健気な心を踏み躙った!!」
カヨも飛鳥の剣幕に圧倒されている。
「寮の管理人は厳しい人だからな、寮の決まりを守れねぇ奴は問答無用で追い出される!!決まった日に現れない住人なんて持っての他だ!!」
怒鳴りすぎて擦れた声を更に張り上げる飛鳥。
「だけど激安で設備充実!おまけに飯がうめぇと来たら折角回って来たチャンス!これは絶対逃せねぇ!!」
「……は、はぁ」
やっとの思いで相槌を打ったあたしに、今度は飛鳥がウインクした。
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