第2話

「全っ部お前の所為だからな美湖(ミコ)!」



病院のベッドの上。

包帯でグルグル巻きにされた左足を指差してあたしを睨み付ける、見慣れた顔。



「……ゴメン」



ペコッと頭を下げて口先を尖らせるあたしの頬をグイッと常って、飛鳥はあたしをまた罵り始めた。



「あのなぁ、俺は明後日から寮で生活する筈だったんだぞ?前々から先輩に頼んでて漸く俺にその話が回って来たんだぜ!?」



飛鳥は男にしては少し長めの茶髪を乱暴にバリバリとかいた。



「ドタキャンなんてしたら次部屋がいつ空くか分かんねぇだろうが!!」

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