第4話

ケイと付き合い始めた頃から、急激に俺の回りが変化し始めた。




親父とお袋の喧嘩は毎日深夜まで行われる。




敵対してるチームが、人を集めだして組織がぶくぶく太っていく。




そんな俺の荒れて行く心にいち早く気付いたのはケイだった。




「僚二、大丈夫?」




『…何がだよ』




今日も顔に傷を作って、待ち合わせに遅れた俺にケイは心配そうに絆創膏をわたしてくれた。




「いらねぇよ!こんなもん!」




絆創膏を地面にたたき付ける俺。

ケイの優しさに、自分が情けなく思えてどうしても苛立ってしまう。

それでも地面に落ちた絆創膏にハッとした俺は




「ごめ―…」




『ごめんね!僚二』




俺に謝って地面にしゃがんで絆創膏を拾うケイに




「…別にいい。」




甘え切っていた。

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