FRAILTY

第2話

俺の腕の中でスヤスヤと寝息を起てるケイ。




閉め忘れたカーテンから入って来る朝日が眩しくて、俺はうっすらと目を開けた。




「……ん」




眩しいのはケイも同じだったようで、寝息を起てたまま少し身をよじると、俺の胸に顔を埋めて来た。




眠っている最中に無意識に俺に擦り寄るケイが愛おしくて、俺はそれに応えるようにその体を引き寄せて抱きしめた。




そんな感情を自然に抱いて、抱いた感情をそのまま行動で表現する。

それは普通な事なようだけど、昔の俺からしたら想像出来ないような事だ。




俺の腕の中にスッポリと納まったケイの華奢な体が、規則的に揺れている。




…ケイに出会って、お互いを想い合うようになって。

俺はかなり成長する事が出来たと思う。




例えば、2トップの件。ケイが涙目でオウタロウに反論した時、しっかりしなきゃと思った。




ナリタの件の時、ケイの兄貴が閻魔の幹部だと知った時のケイは震えていて、こんなに弱い生き物なのかと、改めてケイの弱さを知った。




ケイがいたから、トウヤの病院に行ってハルナの話しを聞く事が出来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る