第6話

「そういえば、キンモクセイの季節だね?」


ユキがあれ、良い香りだよねーと呟いた。


「レオの髪はキンモクセイの色なのかな?」


ハルが起き上がって体をうーんと伸ばす。


…レオの髪の色。あたしは夕日の色かな?と思うな。あの放課後の部室に差し込む橙の輝き。


…あの歌声。


「俺もそろそろ行くわ」


それだけ言い残してハルがフラフラと屋上を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る