第9話 爆速わらしべ長者
ある男が観音様に「最初に触ったモノ大事にしな」と言われ、それがわらしべだったため、それを持って外出した。すぐにアブがたかってきたので、男はアブめがけ、わらしべを力いっぱい投げつけた。わらしべは見事にアブを捕らえた。それが落下するよりも前に、泣きじゃくる子供が母親の胸を蹴って躍り出て、そのアブを掴みにかかる。その拍子に母親の懐からミカンが転がり出た。そのミカンがまた地に着くよりも前に口渇に苦しむ男が飛び出し、それを咥え込む。その拍子に男の懐から反物が。それを拾った兵隊が、死にかけの馬を放り出して持ち去ってしまう。
そこにスタンバっていた観音様、息つく暇もなく馬にバケツで水をバッシャァンとぶっかけると馬はたちまち元気に。ちょうど屋敷を出てきた男がそれを見て言った。
「いい馬だな。こいつに乗って旅に出たい。3年、いや3分でいいや。3分経っても俺が帰らなかったら、この屋敷やるよ」
ふつう、人は旅から3分で帰ってくるわけがないので、男は屋敷を入手した。
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