第6話 訪問

 その日の放課後、武志と裕太は連れ立って歩いて、武志の家に向かった。駅前の繁華街を通り抜けて市街地の一軒家の前まできた。


「大きな家だね」と裕太。


「文化祭の前に一度来てくれただろ」と武志。


「覚えてるよ」と裕太。「背の高いお姉さんがいた。」


「姉貴に会ったんだっけか?」と武志はとぼけた。


「玄関であいさつしたよ」と裕太。


「よく覚えてるな」と武志。


「美人のことは忘れないんだ」と裕太。


「姉貴が聞いたら喜ぶよ」と武志は真顔で言った。



「ただいま」と武志が玄関のドアを開けた。


「おかえり」と真理が玄関に出た。普段はポニーテールにしている髪をおろしている。いつも短パンなのにミニスカートをはいている。「友達と一緒なの?」


「裕太だよ。前に一度来たとき、会ってるだろ」と武志。「今日は宿題を教えてもらうんだ。」


 さらに武志は裕太に向かって「姉ちゃんだよ」と武志。


「おじゃまします」と裕太が頭を下げた。


「こいつの姉の真理よ。馬鹿な弟をよろしく」と真理。


「うるせえんだよ」と武志。

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