第4話

だけど…何度も連絡したけど、電話は繋がらなかった。嘘をつかれたのかな。


…はぁ、なんだったんだろ、あんなに考えたのに。


「おい艶耀。さっさと走れ」


「わかってるよー」


食後には、またランニングする。連絡がもしきたら困るから、携帯も持っていこう。


…いや、なんで待ってるんだ?


嘘つかれたかもしれないのに。


だけど、嘘ついてるようには思えなかった、から…


走れば、忘れられるかな。


朝のことは、夢だったのかな。


走って帰ってきて、ふと携帯を見たら着信が。…気が付かなかった。

慌ててかける。


「あ、こんばんは、艶耀です」


ようやく繋がった。


「リリーです!こんばんは。仕事で気が付かなかったの。ごめんなさい。電話ありがとう」


…よかった、嘘じゃなくて。


「ええと、あの、リリーさんは付き合ってる人はいますか?」


あ。この質問じゃなかった。


「いない!誰も、今までもいない!エンヨーと付き合いたい!お願い!」


「え…」


「私、変っていつも言われる。エンヨーは言わなかった!」


「あ、えーと…」


「デートする!東京よくわからないから、教えて」


「え?どこからきたの?」


「アメリカ。仕事で日本に来たよ」

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