第2話


地元の駅についたのは14時すぎで

駅を降りた瞬間感じるのは、雨上がりの匂いと汚れた街からくる腐敗臭とまではいかない錆びれた歪な匂い



「あーこの匂い、落ち着く」


「あははっやっぱこの感じがいいね」


綺麗すぎる所より汚れたこの街のほうがいい


そこらに広がる空き缶やゴミが

おかえりと言ってるみたい


私もこの街がいい


ホームからでると…



「…おかえり。」



「…タク」


傘を片手に私たちを迎えにきてくれていた


制服姿のタクトから察するに学校を抜け出してきてくれたらしい


「なんでタクが…」

「私が着く時間メールした」


新幹線の中で一応連絡はしないとと思送っていた


2人でタクトに歩み寄っていき…


「学校抜けてくるとは思わなかった…ごめんね」


「別に俺だけだし、アイツらは置いてきた」


ケイトくんたちか


「タクとは家で話すつもりだったのに」


「話さねぇだろ。飯でも食べながら、

ついでにお前も来い」


「光栄です」


歩きながら、手ぶらのタクトをジーッとみると


「…持てってか」


ニッコリ笑って肯定する


「…持ってください…は」


「持ってください、タクトさん」


これくらいいいますよ

重かったんだよこのバッグ


タクトは眉間にシワをよせ、いつもの不機嫌な顔。言うと思わなかったんだろうな〜


「ははっ」

「チッ…ほら」


「わーい、ありがと、タクト」


タクトにバッグを持たせ、ご飯を食べに駅を出た

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る