第63話

言った。言ったよ

私が思ってること全部


まだスタート地点にすら着いてない

なら、まずはそこから…



「ちなみに!拒否権はありません!!」



みんながぽかんとしてる…

ハヤトくんまで…失敗した


言いたいことだけ言い終わると恥ずかしさが込み上げてきた



「ぁ…え、と……い、いじょう/////」


「「「……うおおおおーーー」」」


みんないる中での大告白

私は勢いにまかせてなんてことを言ったんだ



もうむり

早く帰ろう


走ってその場を去ろう



廊下には騒ぎを聞きつけギャラリーがたくさんいた。私はそのなかへ向かって走り出す


はずかしすぎる

こんなにいっぱいきてたのか


私が教室の扉にさしかかったとき



「ランカ」


騒然とするなか私の名前を呼ぶ声が…


「あ·····」


名前を呼ばれ振り返るとハヤトくんと目が合った。え、今、ハヤトくんがいったの?


ハヤトくんはそのまま意地悪く微笑んで



「…·····拒否権、ねぇんだ?」


“ ちなみに、拒否権はありません”


「ぁ…え、やだ…わたし」


なんてことを私は…


はずかしい

はずかしい

はずかしい


穴があったらはいりたい


私は驚きと羞恥心いっぱいで

教室から走って逃げた


「「「うおおおおおおハヤトーおおお」」」


ハヤトコールが廊下まで響く




あぁやめて…

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