第28話

ハヤトくんは歩きながらどこに向かうか教えてくれなかったけれど、わかっていたよ


体育館倉庫…だよね


道中使用中でありますよーにと祈ったけれど、使用中だったとしてもヤることには変わらないけれど、



今日は空いていた



ずけずけとハヤトくんは止まらず、倉庫の中に私をいれると赤い扉をおもいっきり


バァン


閉めた



その大きな音に身体がビクッとする


ハヤトくんが怒ってるのがわかってる


わかってるからこそ、後退り

出口なんてないのはわかってるし、逃げ場なんてない


だから、すぐに跳び箱とハヤトくんに挟まれた



「は、ハヤトくん…」



「…話すなっていったよな」


「リンカはいーでしょ

他の男の人とは話さないから」


「…だめ」


「ええ!?」


リンカともだめなの?


なんでよ


「い、いーけど……だめ」


「どっち…」


ハヤトくんはなにやら葛藤してる模様


リンカと話すなと言われたらかなしいよ


でも、どうして急に話すなって…あ



「やきもちだ!!」


「…」


「ハヤトくんリンカにやいちゃった?ふふっ…やくことないのに…私はハヤトくんだけがだいすきだよー」


ハヤトくんが私が他の男と話したとき怒るときもかわいーなって思ってたけど


リンカにやきもちやくなんて…かーわーいーいー



「…あ?」



ハヤトくんのたった一言で私がかわいいと思ったやきもちが、嬉しいと思ってハヤトくんが愛しく感じたきもちが


一瞬で冷えきった空気に凍えた


私はハヤトくんの逆鱗に触れたらしい

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