第25話

私はハヤトくんの隣に座り、そこからでっかい輪になって屋上で食べる

そのことは灰番では有名な話になりつつあった


いつもはみんなと話ながら聞きながら食べるんだけど…


なんか今日はいつもと違う



マユちゃんとリュウが付き合いはじめ、ここで揃って食べるのは初めてで


「リュウくん、それちょーだい」


「あぁ、これか?はい」


「ありがとーなら、これあげる」


ラブラブな二人の会話に目を背けたくなる

私とハヤトくんもこんなふうに思われてたのかと思うとはずかしい



「ケイト、今日うちこない?リオのバカがデータ消して一からやることなったんだよ」


「ははっリオくんやらかしたなー

それ、明日でもいー?コウに今日もくるっつったんだ」


「…そっか。明日でいーよ、お菓子用意しとく」



いつも通り仲がいいケイトくんとヒロちゃんをみてると私とハヤトくんもずっとこんな感じでいたいなと思ってしまう


ちなみに、リオくんとは…ヒロちゃんのひとつ上のお兄さんだ


仲良く話してるのはマユちゃんとヒロちゃんくらい


「…ナツキーなんかあったん?シュウさん相談のるよー」


「ないよ、そんなん…他の女のそーだんのればー?」


「いまはナツキの相談のるって話…他の女の子は関係ないじゃん?」


「…そだね。」


なっつんがシュウくんにたいしてどう思ってるかがわかった手前、なっつんが幸せそうに見えてくる。今だってほんとに幸せそうに微笑んで…ほんとにすきなんだ。シュウくんのこと



「…なんでもいってよ…ナツキのためならなんでもするよ」


「ぶはっ…」


思いがけない愛の言葉に唐揚げをつまらせた


「ランカ!?大丈夫か?」


「ご、ごめ…」


「みず、みず!」


ハヤトくんは自分のペットボトルを私に差し出した


「ありがとう…」


受け取った水を口に流し込み、落ち着かせる


シュウくんってなっつんのこと好きなの?


いや、すきだって言ってたな…でも、それは他のみんなもすきだってことで…え、シュウくんがなっつんだけを愛する未来ってくるんじゃないの?



だとしたら、キョウヤさんは


私はいったいどっちを応援すれば…

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